10月21日、国会で医療制度改革案が可決された。
今のスロヴァキアにおける医療制度は、保険に加入していれば、歯の治療は別として、
病院での診察費や治療費を精算する必要がない。処方箋が出された場合に限り、薬局での薬代はそれぞれ患者がその負担額を支払っている。「病院での精算なし」というところを強調するならば、なんとも魅力的なシステムであろう。それにもかかわらず、今回の改革案に国民の90%が賛成しているのにはどういう理由があるのか・・。
2〜3年前の新聞で、「スロヴァキア人の病院に通う人数はヨーロッパでも最多」といった記事を見かけた。確かに、スロヴァキアに来た当初の私も、少々具合が悪いとすぐ病院に行くスロヴァキア人に驚いたのを覚えている。診療、治療時に、精算しないでよいのならば当然でもある。しかし、そのおかげで、医者の仕事は増える一方であった。医者や看護婦の給料は一定賃金で、患者の増減、残業は給料に比例しない。5年ぐらい前には医者によるストライキもあった。そして、これまでの制度が招いた結果が、「医療の手抜き」である。殊に入院した際に、適切な処置が施されない、看護されない、それ故、治るものも治らないといった問題が生じた。すると、患者は医者や看護婦に袖の下をやって、なんとか治療してもらおう、看護してもらおうと取り入るのである。
以上のような現状を改善するために今回可決された案に従えば、毎回の診療、治療時にその料金の何パーセントかを患者が支払うことが義務付けられる。病院の看護、処置が悪ければ、患者は減り、そのような病院は姿を消していく。それぞれの医療機関が競争相手となることで、医務の向上を図る計画だ。
早ければ1年後には医務改善の努力の成果が現れるということだが、実際に医療機関の窓口で精算のやり取りが行われるようになるのは、2006年以降になる見込みだ。
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