4月8日は毎年ラッパスイセンの日となっている。春を代表するこの花は、スロヴァキア語でNarcis(ナルツィス)という。英語ではdaffodil(ダッファディル)、また、スイセンの総称はnarcisus(ナルツィサス)という。
ギリシャ神話で、ナルキッソスという若者が、泉に映った自分の姿に恋をしてスイセンの花になった話があるが、これが、ナルシストの語源である。このことより、自惚れの強い人や自己陶酔型人間を水仙に例えたりする。
しかし、スイセンの花、特にラッパスイセンは、その色が眩しいほど黄色に輝き、私にしてみれば、快活な感情を起こさせる花に思える。
実はこの花はスロヴァキアで癌の闘病シンボルになっている。8日は、スロヴァキア対ガン連盟(Liga proti rakovine Slovenskej republike, www.lpr.sk)が癌予防を呼びかけ、街路で募金活動が行われる日だ。街で募金活動を行うほとんどは子供たちで、寄付をすると、胸にプラスチックでできた小さなラッパスイセン、または生花をくれる。その他にも銀行口座が開かれているため、そこへ寄付金を振り込むこともできる。
国際対ガン連合(UICC)およびヨーロピアン・キャンサー・リーグ(ECL)のメンバーでもあるスロヴァキア対ガン連盟が行うこの活動は、今年で9年目を迎えた。2004年の寄付金の総額は1539万3102コルナ、日本円にしておよそ4910万3841円。2005年の総額は4月20日発表だが、去年の額を上回っているという情報だ。集まった寄付金は、診察、治療、患者の生活のクオリティーといった内容の向上に加え、緩和剤、ホスピス、予防、指導教育、発病から臨床課程の研究等のために当てられる。
今年の4月8日は非常に暖かく、天気の良い日であった。その日は私も朝の8時ごろに、バス停で子供たちの持つ募金箱に寄付をして、ラッパスイセンバッジをもらった。その場には私と子供たちの他には誰もいなかったからなのか、あるいは試しに声を掛けてみたのかわからないが、私は見かけではスロヴァキア語を理解できないかもしれないのに、何の躊躇いもなかった子供たちに少々驚いたと同時に感心した。
|