「チェコとスロヴァキアを知るための56章」(明石書店)の中の長與進氏のコラム、「スロヴァキア人の名前の話」によれば、スロヴァキア人男性の4人に一人はJán(ヤーン)で、この名はスロヴァキア人で最も多い名前の第一位であるという。確かにヤーンはやたらに多い。彼らの愛称であるヤノ、ヤンコ、ヤンチといった呼び方は頻繁に耳にする。
6月24日は聖Ján(ヤーン) Krstiteľ(クルスティテル)誕生の日であることから、ヤーンの名前の日を祝うようになったが、単に名前を祝うだけでなく、21日の夏至も近いことから、その行事と結び付けられるようになった。
Svätojánske(スヴェトヤーンスケ) ohne(オフニェ)(=聖ヤーンの火)という言葉があるように、この行事には火が欠かせない。火を焚くのは雨乞いを意味するだけでなく、火は太陽をも象徴している。
また、その焚き火の上を飛び越すと、その者は潔白になり、一年中健康に過ごすことができると言われた。また、カップルが手を繋いで一緒に飛べば、二人は近いうちに結ばれるとも信じられていたため、この夏至の行事は、とりわけ若者が楽しみにしていた。彼らは火を飛び越えるだけでなく、踊ったり歌ったりと男女で共に楽しく時間を過ごした。この日ばかりは彼氏彼女が夜遅くまで過ごすことが許されていたという。
現在は、主に各地の民族舞踊アンサンブルがこの行事の様子を舞台の上で公演する形で伝えられ、実際に火を焚き、歌い、踊ることは稀である。
|